お世話になっております。
仏教の僧侶の方の最も基本的な修行である写経。
この写経ですが、意外と現代文の読解訓練にも役に立ったりします。
現代文に及ばず、学習というものが苦手な生徒さんの特徴として、以下の点があります。
・集中するのが苦手。
・論理的な思考が出来ていない。
・文章をしっかり理解出来ていない。
・そもそも文章自体、読み慣れていない。
といった側面があります。
この場合、まずはしっかりと文章そのものを考えてもらう訓練が必要となります。
もちろん、普通に文章を読むことはできます。できますが、実際、どんなことが書かれているか?と聞かれたとき、「?」となる生徒さんは少なくありません。
写経そのものは学習というよりも、精神面の修行に行われていますが、意外と学習への姿勢改善だったり、学習方法としても応用ができます。
考えられる応用面
記憶定着・集中力向上:教科書の重要な一節を丁寧に書き写す行為は、単なる音読や視覚的な読書に比べ、脳への刺激が多面的になります。手を使い、視覚的に文字を追い、意味を反芻しながら書くことで、記憶に残りやすくなります。この点は、写経における「静かな環境で一字一字慎重に書く」という行為と通じるものがあります。
丁寧な学習姿勢の獲得:写経は、言ってみれば「丁寧に文字と向き合う」ことが核心です。現代の学校学習でも、大量の情報をざっと流し読みするのではなく、「一つひとつ正確に理解しよう」とする姿勢は重要です。写経的な手法によって、一見単純なコピー作業に思えても、注意深さ・根気・集中といった学習姿勢の涵養に繋がる可能性があります。
心を整える環境づくり:写経は精神集中の修行とされていますが、学校学習でも雑念を払い、一定時間じっくりと学習対象に没頭することで、学習効率や理解の深度を高められます。たとえば、試験前に落ち着いて集中力を高めるため、重要事項を清書するような「写経的な時間」を設けると、気持ちを整えられるかもしれません。
留意点
理解の伴わない丸写しへの注意:宗教的文脈の写経は「意味そのものを直ちに理解する」ことより「行為そのもの」を重視しますが、学校学習では理解が不可欠です。よって、教科書や参考書をただ機械的に写すだけでは、意味の理解にはつながらない可能性があります。理解を伴うためには、書き写した後に内容を自分の言葉でまとめたり、疑問点を整理するといったプロセスを加える必要があります。
個人差への配慮:書く行為が得意でない、あるいは別の学習法(音読、図解、マインドマップなど)の方が効果的な人もいます。万人に向くとは限らないため、あくまで学習法の一選択肢として検討することが重要です。
通塾いただいている生徒さんの中には、童話を写し、それを要約することで、読解力を高めていく訓練を行なっている生徒さんもいますし、これの効果か、格段に理解力が向上した生徒さんもいらっしゃいます。
この様な変わった学習方法を取り入れられるのも、マンツーマン授業の強みかな?と思います。
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