お世話になっております。
荒尾市の各中学校でも、大牟田の各中学校でも、中3生の三者面談真っ最中かと思います。
よく、以下は、よくある三者面談での一幕。
冬の匂いがし始めた午後、薄曇りの空が中学校の窓に広がっている。
体育館から聞こえるバスケットボールの音や、校庭を駆け回る声が遠くに響いている中、三者面談の部屋には静けさが漂っていた。
「それで、進路のことだけど、どう考えているの?」
担任の田村先生が、柔らかい口調で切り出す。彼はもう中年に差し掛かった教師で、少し疲れた顔をしているが、その目には真摯な光が宿っている。
「特に、やりたいことは……ないです。」
静香は視線を下げながら答えた。自分でも、この言葉がどれほど無力に聞こえるか分かっていた。隣に座る母親はわずかにため息をつき、手元のハンドバッグを握り直す。
「うーん、そうか……」
田村先生は少し考え込むように頷き、机の上の進路資料に視線を落とした。その資料には、地域の高校の情報や、進学の選択肢がずらりと並んでいる。静香はその束があまりにも分厚く、どこから手をつければいいのか分からないままだった。
「やりたいことが見つからないのは、全然おかしいことじゃないよ。実際、今の年齢で明確な目標を持っている子のほうが少ないくらいだから。」
先生のその言葉は、慰めのようであり、同時に責任を暗に突きつけるようでもあった。
「でも、どこかには進まないといけないんだよな。高校を選ぶ基準は何でもいいんだ。通いやすさとか、部活動とか……。」
田村先生の言葉は、遠い音楽のように静香の耳を通り過ぎていく。
はい、全国の田村先生と中学3年生の静香さん、誠に申し訳ありません。
適当に小説仕立てで三文劇を作成してみました。(てか、「高校を選ぶ基準はなんでもいい」とか、自分で考えておいてなんですが、江口は絶対に口にしませんし、通いやすさや部活動を理由にもしませんので悪しからず)。
この、「やりたいことがない」という生徒さん、非常に多いです。
しかし、勘違いしていただきたくないこととして、「目標がない」と、「自分の将来を考えていない」ことはイコールではありません。このことを勘違いしている方は非常に多くいらっしゃいますし、我々塾関係者や、学校の教員の方にも一定数いらっしゃいます。
生徒さんの目標が定まらない原因は様々です。
社会的な変化から働き方が多様化していたり、情報過多により選択肢が増え過ぎてしまっていたり、勉強や部活で忙しくて考える余裕がなかったり、そもそも身近に目標となる大人や職業が見つからないことで、進路イメージがつきにくいこともあります。
また、家庭の経済状況や社会の不安定さから、将来に希望を持ちにくいことが挙げられます。
ここで、よく生徒さんにお話ししているのですが、具体的にまだ目標が定まっていない場合、進路を選ぶときは、ズバリ「コレはない!」という選択肢です。
①「大学に行くかどうかわからない」となると、とりあえず普通科進学コースが選択肢に上がってきます。
②イラストレーターや漫画関係、音楽関係などの「芸術的な方向性は絶対に無い!」と決めている場合、美術コースや音楽コースは除外されしまいます。
③「ものつくりや工事関係は絶対にない!」となると、工業学科への選択肢も無くなります。
④「特に目標はないけど、大学は絶対行かない!」と決めているのであれば、総合学科や普通科普通コースもいいかもしれません。
上記のことから、本当に何も目標が定まっていない場合、江口は進学校をお勧めしています。
高校に進学して、ある程度自分の選択肢が見えてきた時、国立大学を狙えるほどの学力があれば、大抵の進路を取れますし、高校の工業科と大学の工学部は比較にならない設備です。選択肢を後回しにしたとしても十分にお釣りがきます。
三者面談時に焦って進路希望書かせる先生もいらっしゃいますが、ぶっちゃけ、各高
校、1月の上旬くらいまでは特に問題なく変更可能です。(学校の先生的には面倒臭いでしょうが。。。)
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