「情報系に進みたい」――ひとくくりにできない「情報」の学び

お世話になっております。
「パソコンを使うことが好きだから、情報系に進みたい」「AIに興味があるので、大学では情報を学びたい」そんなふうに進路を考えている人もいるのではないでしょうか。
もちろん、熊本個別指導教室にも、大牟田個別指導教室にも、その様な生徒さんは結構いらっしゃいます。
興味のあるものから進路を考えることは、よい出発点です。ただ、大学や学部を探し始める前に、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいことがあります。「情報系」といったとき、自分は何を学ぶことをイメージしているでしょうか。
情報に関わる学びには、コンピュータの仕組みを研究するものもあれば、データを分析するもの、人間や社会との関係を考えるものもあります。例えば、静岡大学の情報学部でも、技術を中心に学ぶ情報科学科、データやサービスを扱う行動情報学科、社会や人に目を向ける情報社会学科という、異なる学びが用意されています。inf.shizuoka.ac.jp
「情報」という言葉だけでは見えにくい、その中身を少し分けて考えてみましょう。
「情報」の中にも、さまざまな方向がある
ここでは進路を考える手がかりとして、代表的な学びの方向を紹介します。きっちりと分かれた分類ではなく、互いに重なる部分もあります。
■ アプリやシステムの仕組みをつくるアプリやWebサービスなどを動かす仕組みに興味があるなら、情報科学・情報工学の分野が一つの候補になります。プログラミングだけでなく、処理の手順を考えるアルゴリズム、データの管理、コンピュータの動作原理なども学びます。「コードの書き方を覚える」だけでなく、「どうすれば正しく、効率よく動くか」を考える学びです。静岡大学 情報学部
■ データから特徴を見つけ、課題を解決する「どのような商品が売れるのか」「どこに改善の余地があるのか」といった問いを、データから考える方向です。データサイエンスでは、数学や統計学、機械学習などを使ってデータを分析し、役立つ知識を取り出します。熊本大学の情報融合学環も、こうしたデータサイエンスを基盤に、さまざまな分野の課題解決につなげる学びを展開しています。情報融合学環|熊本大学
■ 情報をつなぎ、安全に届けるインターネットや無線通信の仕組み、情報を安全にやり取りする方法に関わる方向です。ネットワークや情報セキュリティに加え、通信を支える電気・電子の技術を学ぶ場合もあります。例えば福岡工業大学の情報通信工学科では、有線・無線通信と、ネットワークやセキュリティなどの情報技術を扱っています。福岡工業大学
■ コンピュータで機械を動かす画面の中だけでなく、ロボットなどの実際の機械を動かすことに興味がある人もいるでしょう。この方向では、プログラムに加えて、機械の構造、センサー、制御なども関わります。福岡工業大学の情報システム工学科でも、情報技術とロボット制御、生体システムを組み合わせた学びが用意されています。福岡工業大学
■ 映像やデザインで、人に伝える映像、CG、アニメーションなどを使った表現や、人と情報の関わり方に目を向ける方向です。例えば九州大学のメディアデザインコースでは、芸術表現だけでなく、伝えるための技術や、人間のふるまい・社会についても学びます。「情報に関わりたい」という希望が、デザインや芸術工学につながることもあるのです。md | 九州大学芸術工学部芸術工学科 メディアデザインコース
■ 情報と人間・社会の関係を考える情報社会の学びには、メディアと人間関係、プライバシー、情報に関わる制度などを考える方向もあります。静岡大学の情報社会学科では、社会学、経済学、法学、メディア学など、さまざまな人文社会科学の視点から情報を研究しています。コンピュータそのものだけではなく、「情報によって社会がどう変わるのか」に関心を向ける学びです。静岡大学 情報学部
「好き」の中身を、もう少し具体的にしてみよう
例えば、「ゲームが好きだから、情報系に進みたい」と考えているとします。そのときは、「ゲームのどの部分に興味があるのだろう?」と、自分に問いかけてみてください。
キャラクターを動かすプログラムをつくってみたいのか。映像や世界観を表現したいのか。オンラインでつながる仕組みを知りたいのか。それとも、遊ぶ人の行動や、ゲームと社会の関わりに興味があるのか。
これは、好きなことを細かく説明できなければいけない、という話ではありません。「ゲームが好き」で止めずに、「何を知ると面白そうか」「自分なら何をつくってみたいか」を考えるための問いかけです。
「AIに興味がある」という場合も同じです。AIの仕組みを研究したいのか、AIを使ったサービスをつくりたいのか、教育などの身近な課題に活用したいのか。まずは、自分が面白そうだと思う方向を探してみましょう。
「文系か理系か」だけでも決められない
情報に興味があっても、「自分は文系だから」と、候補から外そうとしている人もいるかもしれません。しかし、人文社会科学と情報を組み合わせる学びや、文理融合型の教育もあります。静岡大学 情報学部
ただし、「文系から進める」と「数学やデータ分析を学ばなくてよい」は、同じ意味ではありません。 例えば静岡大学の情報社会学科でも、社会を分析するためのデータサイエンスや数理的な技能を学ぶカリキュラムが用意されています。静岡大学 情報学部
今の得意・不得意だけで可能性を閉じるのではなく、興味のある内容を学ぶために、どのような準備が必要なのかを調べていきましょう。
学部名の次は、「授業」と「研究」を見てみよう
大学を調べるときは、「情報」という名前が付いているかどうかだけでなく、授業科目、研究室のテーマ、学生の制作物や卒業研究にも目を向けてみてください。
「プログラミング」と書いてあれば、それを使って何を学ぶのか。「AI」と書いてあれば、どのような課題を扱うのか。興味のある内容が、必修科目なのか、選択科目なのかも確認してみましょう。オープンキャンパスでは、「この大学で情報を学べますか?」よりも、「私はこんなことに興味があるのですが、どの授業や研究室につながりますか?」と聞いてみるのもよい方法です。
最初から、将来の仕事や専門分野を一つに決める必要はありません。ただ、「情報系に進みたい」という気持ちを、少しずつ「情報を学んで、こんなことを考えてみたい」に変えていく。そのために、分野の違いを知っておくことには意味があります。
「情報系に向いているか」を急いで決める前に、「情報のどの部分に興味があるのか」を探してみる。そこから、自分に合う進路を考えてみましょう




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