高校入試、「特待生」という言葉だけで進学先を決めないでください

お世話になっております。
この時期になると、私立高校から、
「特待生の話が来ました。」「授業料が免除になります」「入学金が免除になります」
といった話を聞くことがあります。
保護者の立場からすると、これはかなり魅力的です。
高校3年間には、授業料だけでなく、制服代、教材費、交通費、部活動費、修学旅行費など、さまざまな費用がかかります。
そのため、
「特待生なら、この学校にしようか」
と考えたくなる気持ちは、とてもよく分かります。
ただ、高校選びに関しては、少しだけ注意してほしいことがあります。
それは、
「特待生だから」という理由を、学校選びの一番上に置かないこと
です。
特待生は「学校との相性」とは別の話
特待生になれるということは、その学校から一定の評価を受けているということです。
これはもちろん素晴らしいことです。
しかし、
特待生として合格したことと、その高校が本人に合っていることは別問題です。
例えば、
・本人が希望している大学へ進学できるコースなのか・授業の進度は本人に合っているのか・補習や講習はどの程度あるのか・部活動との両立はできるのか・通学時間は無理がないか・学校の雰囲気は本人に合っているか・大学進学へのサポート体制はどうか
こうした部分の方が、高校生活3年間を考えるうえでは重要です。
「数十万円得する」より、3年間をどう過ごすか
例えば、特待制度によって年間数十万円の負担が軽くなるとします。
確かに大きな金額です。
ただ、その金額だけを理由に進学先を決めてしまい、
「思っていた学校生活と違った」「希望する進路に対応していなかった」「学校の雰囲気が合わない」「通学が想像以上に大変だった」
となってしまえば、本人にとっては非常につらい3年間になります。
高校生活は、
約1,000日あります。
毎朝起きて、その学校へ通い、授業を受け、人間関係をつくり、進路を考えていきます。
だからこそ、
「いくら免除されるか」だけではなく、「その1,000日をどこで過ごしたいか」
という視点を持ってほしいと思います。
特待制度には条件がある場合も
もう一つ確認しておきたいのが、特待制度の条件です。
「特待生合格」と聞くと、
卒業までずっと同じ条件で免除される
と思ってしまうことがあります。
しかし学校や制度によっては、
・毎年審査がある・一定以上の成績が必要・欠席日数などの条件がある・部活動の継続が条件になっている・免除される費用と免除されない費用がある
といったケースもあります。
ですから、特待生の話が出た場合には、
「何が免除されるのか」「いつまで免除されるのか」「継続条件はあるのか」
を必ず募集要項などで確認しておく必要があります。
「特待だから第一志望にする」は順番が逆
高校選びでおすすめしたい順番は、
① 行きたい学校を考える↓② 学校の教育内容や進路実績、雰囲気を調べる↓③ 本人に合っているかを考える↓④ 最後に学費や特待制度を確認する
です。
ところが、
特待が取れた↓学費が安い↓じゃあここにしよう
となってしまうと、学校選びの順番が逆になります。
もちろん、
「第一志望の高校で特待生にもなれた」
のであれば、それは非常に良い結果です。
注意したいのは、
「特待生になったから、もともと第一志望ではなかった学校へ進路を変える」
という場合です。
このときは、一度冷静に考えてほしいと思います。
「特待生」という言葉には強い魅力がある
特待生という言葉には、
「選ばれた」「評価された」「お得に進学できる」
という、かなり強い魅力があります。
生徒本人にとっても、
「自分を高く評価してくれた学校」
には好感を持ちやすいでしょう。
それ自体は決して悪いことではありません。
ただし、高校入試のゴールは、
特待生になることではありません。
高校へ入ったあと、
どのような3年間を送り、その先の進路につなげるのか。
こちらの方がずっと大切です。
特待生は「プラス材料」として考える
私たちが高校選びについて相談を受けたとき、特待制度があること自体を否定することはありません。
むしろ、
本人に合っている学校+希望する進路にも合っている+通学にも問題がない+さらに特待制度も利用できる
のであれば、とても良い選択です。
ただ、
「特待だから行く」のではなく、「行きたい学校で、さらに特待も付いた」
という順番で考えてほしいと思っています。
高校選びは、金額だけで決める買い物ではありません。
子どもが3年間を過ごし、その後の大学進学や就職にもつながっていく、大きな進路選択です。
これから私立高校の特待合格や奨学制度の話を聞く機会が増えてくると思います。
そんなときこそ、
「特待生だから」ではなく、「この学校で3年間過ごしたいか」
を、親子で一度考えてみてください。
特待生という制度は、高校選びの決め手ではなく、最後に加わるプラス材料くらいに考えるのが、ちょうどいいのではないかと思います。




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